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【音楽ガチ分析】坂本龍一『A Flower Is Not A Flower』～ 冒頭16小節だけで30分語ります。常軌を逸したオンコードとヴォイシング、天才の証

作曲家のトイドラが、坂本龍一の『A Flower Is Not A Flower』のメインテーマ（冒頭16小節）を分析します。 コメント歓迎！ 質問はメンバーシップご登録 or 投げ銭をいただけると嬉しいです。 1:22 分析はじめ 2:12 コード進行を分析 15:59 ヴォイシングを分析 ☆コード進行を単純化してみた動画→   • 坂本龍一「A Flower Is Not A Flower」のコード進行を...   〈坂本龍一〉 日本を代表する作曲家の一人。 アカデミックな来歴を持ち、映画音楽などの商業音楽だけでなく、実験音楽や純音楽といったアート方面でも功績を残した。 YMO時代にはテレビ出演でも人気を博し、「教授」の愛称で呼ばれた。 社会活動家としても知られ、反戦・平和活動をつづけた。 〈総評〉 【リズム】 ・非常にシンプルで、全く単調。 　→だからこそ和音の妖艶さが浮き立つ。 【メロディ・和声】 ・メロディは信じられないくらいシンプルで、主張が弱い。 　→テンションに始まりテンションに収束していく、倚音の使い方が見事なメロディライン。非常に艶やか。 ・コード進行はキャッチーな定型進行。ただし、Root がずれたまま進行して執拗に転回形を奏し続ける。 　→「II度９の４転 - V度７の３転」つまり「 IIm9/III - V7/IV 」というあり得ない II-V が登場。４転は普通用いられない。 ・Bass は順次進行を繰り返し、滑らかにうごめく。 　→限定進行はことごとく無視し、逆方向に進行する！ たぶん意図的。 ・ヴォイシングが非常に的確。 　→転回形まみれなので、ヴォイシングを間違えるとすぐに響きが崩壊する。 　→完全５度でバランスを取ろうとしない。第５音は適宜 omit する。 【表現】 ・既存のルール、ヒエラルキーへの挑戦が詰まっている。 　→明確に基本形の和音を拒否。 　→限定進行を拒否。 ☆ただ、最後の部分だけはキレイに終わっている。 　この折衷点の絶妙さが、彼を商業的成功に導いたのかもしれない。 ------------------------------------------------------------------------------------- 作曲家のトイドラ → https://tomita-haruki.studio.site/ #坂本龍一 #音楽理論