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【2020年7月29日】昔シモキタに映画館が4館もあった

演劇の街シモキタには、本多劇場を筆頭に10軒を超す小劇場があります。しかし映画館はありません。数多くの街と同じように、かつてあった映画館は全て消えてしまったのです。 映画の黄金期だった昭和30年代から、シモキタには次々と映画館がオープンし、駅の周りを取り囲むように4館の映画館が競って建っていました。まだテレビが茶の間に入り込む前、人々は毎週のように映画館に通ったのです。映画こそは手軽で最高の娯楽でした。 しかしやがてその地位はテレビによって奪われ、映画館は衰退の一途を辿ります。お定まりのコースのように成人映画、ピンク映画を上映するようになり、かつて客席を埋めたファミリー層から見放されて行きました。 シモキタにあった4館の映画館も、それぞれ理由は異なりますが、1980年代の後半、バブル崩壊と時を合わせるかのように姿を消していきます。 最初にできた「下北沢オデヲン座」はフィットネスクラブに業態を変えて生き残りましたが、「グリーン座」「下北沢映画劇場」はそれぞれ撤退、「下北沢エトアール / 下北沢映画劇場」は火事で全焼しました。社会の波に飲み込まれるかのような半世紀の歴史でした。 今回は、その映画館跡を訪ね歩きます。すっかり当時の面影が消えたシモキタの映画館跡。そして最後に、今もシモキタで唯一映画上映を続けている「下北沢トリウッド」へ。ショートフィルムの上映から始まったトリウッド（東京のハリウッドの意）は、今次々と新作を上映。コロナ禍の中でも映画への情熱を燃やし続けています。 ▶︎下北沢トリウッド　https://tollywood.jp/