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年金記録の「もれ」や「誤り」をチェックする具体的な方法

【動画で紹介したサイト】 　・ねんきんネット 　　https://www.nenkin.go.jp/n_net/ 老後に受給する年金は、これまで払ってきた年金保険料の記録をもとに決まるわけですが、もしこの記録に漏れや誤りがあると、本来はもらえるはずの金額がもらえない、ということになってしまいますよね。 実際、政府の発表によれば、なんと約1,783万件の年金記録が宙に浮いた状態になっていることが分かっています（令和３年９月時点）。 これは、すごい数字ですよね。 そこで今回は、なぜ年金記録に漏れや誤りがあるのか、とか、ご自身の年金記録に漏れや誤りがないかを確認するにはどうすればいいのか、といったことについて解説したいと思いいます。 本日の内容ですが、下記のようになっています。 　１番目　なぜ記録の漏れや誤りがあるのか 　２番目　ねんきん定期便で漏れや誤りを確認する方法 　３番目　ねんきんネットで漏れや誤りを確認する方法 １番目　なぜ記録の漏れや誤りがあるのか まず最初に、これまでの年金管理の流れを、単に説明したいと思います。 以前の年金管理は、国民年金や厚生年金などの制度ごとに番号が割り当てられていて、この番号で年金記録を管理していたんですね。 例えば、民間企業に勤めている人は厚生年金で、公務員は共済年金、自営業の人や５人未満の零細企業の人等は国民年金に加入するという仕組みになっていました。 ただ、この仕組みだと、１人の人間が複数の番号を持つケースがあったんですね。 なぜかと言うと、加入する制度が変わ度に新たな番号が付与される仕組みになっていたからです。 例えば、結婚によって加入する制度などが変わるケースがありましたし、また転職して同じ制度に加入した場合でも、当時は新たな番号が付与されていました。 このような仕組みになっていたので、日本の全国民の年金記録を管理することが、とても複雑で大変な状況になっていました。 そこで平成９年に、基礎年金番号というものが導入されて、個人の年金記録はすべて１人１つの基礎年金番号で管理するようになったんですね。 この時に１人で複数の番号を持っていた人も１つの基礎年金番号に統合されました。 ですが統合作業をする際に、人為的なミスが生じたので宙に浮いた年金記録が発生したというのが実態です。 ではなぜ、ミスが起きたのか？ということですが、当時、年金を管理していた社会保険庁は、国民1人ひとりに複数の年金番号を持つかどうかを尋ねたんですね。 そして、受け取った回答をコンピュータ上の記録と照合し、「氏名」「生年月日」「性別」に基づいて、複数のデータを1つの基礎年金番号にまとめる作業をしました。 この作業の過程で、さまざまなミスが発生したんですね。 例えば、紙台帳からコンピューターに記録が移換されていなかったとか、職員が氏名や生年月日、性別を間違って入力したといったことが多発しました。 同時に、これまでの杜撰な年金管理の実態も明らかになりました。 例えば、納めたはずの保険料が記録に残ってなかったといったケースなどがありました。 そのため、膨大な数の持ち主不明の年金記録が残ったということなんですね。 そこで国は、宙に浮いた記録を統合するために多額の予算を投入して年金記録の突合作業を行い、平成20年から平成24年にかけて約230万人の年金受給者の年金額が修正されました。 この時、修正された年金は、過去に遡って一時金で支払われたのですが、その年金額は、なんと約1兆6.000億円もありました。 全くひどい話です。 これが引き金になって、平成21年12月をもって社会保険庁は解体され、平成22年1月からは日本年金機構に年金業務が引き継がれた、というのがこれまでの経緯です。 そして今は、毎年誕生月にねんきん定期便が送られてきて、１人１人が自分の年金記録を確認するようになっています。 ２番目　ねんきん定期便で漏れや誤りを確認する方法 ねんきん定期便は、毎年誕生月にご自身の年金記録を記載したものが「はがき」で送られてくることになっていて、直近1年間の記録が記載されています。 但し、35歳、45歳、59歳の時だけは、それまでのすべての記録が記載されたものが封書で送られてきます チェックしてほしいのは、35歳、45歳、59歳の時に送られてくる封書のタイプのねんきん定期便です。 封書を開けると、書類が何枚か入っていると思いますが、見ていただきたいのは「これまでの年金加入履歴」と書かれた書類です。 この書類を見て、実際は保険料を払っていたのに記録がなければそれは「漏れがある」ということになりますし、記録はあるけど記録内容が違っている！ということであれば、それは「誤り」ということになります。 で、もし記録漏れや誤りが見つかったらどうするか？ということですが、ねんきん定期便には「年金加入記録回答票」と「返信用封筒」というものが同封されているんですね。 つまり、記録漏れや誤りがあれば、この「年金加入記録回答票」のフォームに従って記入して、返信用封筒を使って日本年金機構に送付するということになります。 すると、日本年金機構で審査・確認が行われ、３～4か月後に本人に結果の通知書が送られてきます。 3番目　ねんきんネットで確認する方法 ねんきんネットというのは、日本年金機構が運営しているサイトで、このサイトを使えば、ねんきん定期便よりはご自身の記録漏れや記録の誤りを発見しやすいと思います。 なお、はじめて利用する時は、新規登録をする必要があります。 ログインして、「年金記録を確認する」をクリックし、「1.記録に「もれ」がないか確認する」の「月別の年金記録を確認する」をクリックすると、加入漏れや未加入期間を確認することができます。 もし「未加」と記載されている期間が「確かこの期間はあの会社で働いてたはずなんだけどなあ」という人は、年金事務所で「被保険者加入期間照会申出書」を貰って必要事項を記入して郵送するようにしてください。 後で回答が送られてきますが、もし記録があれば、年金額が増える可能性があります。 因みに人によっては、1,000万以上の年金が遡って貰える人もいた！といった事例も過去にはありました。 最後になりますが宙に浮いた年金記録は、令和３年９月時点で、まだ約1,783万件もある！ということなんですね。 ですから年金記録問題は、今もなお、きわめて重大な問題だと思います。 #年金記録 #チェックする #方法