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伝統工芸高岡銅器振興協同組合(梶原壽治理事長)は、奈良・薬師寺の東塔(国宝)の解体修理事業に加わり、最上部に取り付けられている金属製飾り「相輪(そうりん)」の一部の新調・修復を奈良県から第一期工事を請負い、平成30年3月末までに仕上げました。 薬師寺は680年、天武天皇が藤原京に創建。平城京への遷都に伴い、718年に現在地に移転した。東塔は約1300年前の創建当時から残る唯一の建物で、高さ約34メートル。2009年から奈良県によって解体修理が進められています。 修復する相輪は高さ約10メートル。同組合は上部にある宝珠と竜舎(りゅうしゃ)、水煙の下部にある受け具の擦管(さっかん)、九つある九輪(くりん)の一つを作り、劣化して割れた金具の補修も行いました。当時と同じ銅合金の成分にするため、配合率は銅が92%と高く、スズは2.5%、さらに微量のヒ素を加えるのが特徴です。 今回、最も難しいとされるのが着色などの仕上げ工程でした。現存する部材と組み合わせるため、1300年間の経年変化による色や質感を再現しました。同組合は、前掲した「国宝法隆寺釈迦三尊像再現プロジェクト」を実績として、奈良県の入札業者の認定資格を取得し、組合として国宝の修復に携わるのは初めてでした。 原型作りから始め、平成30年2月上旬に鋳造、3月中旬から仕上げに入り、5月に納品しました。5月28日には第二期工事も落札し、現在取り組んでおり、高岡銅器業界として知名度が高まり、本事業の事業化の推進に寄与する実績となりました。