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カント・ダス・トレス・ハザス ~Canto Das Três Raças~長谷川きよし(Kiyoshi Hasegawa) & 仙道さおり(Saori Sendo) 1 год назад


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カント・ダス・トレス・ハザス ~Canto Das Três Raças~長谷川きよし(Kiyoshi Hasegawa) & 仙道さおり(Saori Sendo)

長谷川きよし (vocal,guitar) 仙道さおり (percussions) 横浜 DOLPHY (ドルフィー) 2005/02/20 Special Thanks To Tetsuya Kunishige(Sound Engineer) この歌は、ぼくが良く書いている、日本ではまだサンバのレコードなどがラテン音楽とい うジャンル分けの中に、1枚あるかどうかというような1960年代の後半というころ、内容 も分からずに、ブラジルという手掛かりだけで必死で買っていたアルバムの中に見つけた、 特に印象の強い1曲でした。 当然、オムニバスでしたが、クララ・ヌネス(Clara Nunes)という、かなり土着的な感じ で歌い上げる女性で、衝撃的な歌でした。歌詞の内容も定かではない中でも、引き付けら れるものでした。 津島玲が訳詩を作ったのですが、タイトルも正確には分からないまま、インディオの革命 の歌などと紹介していました。 その背景については、後で紹介しますが、ぼくもそうだったように、皆さんにもまずはシ ンプルに歌として聴いていただきたいと思います。 ブラジルという国は、音楽的には素晴らしい宝物を持っていると思いますが、歴史上、政 治的にはほとんど軍事政権が続いてきていて、それに反対するアーティストたちは、トッ プを走るような人たちも、亡命を余儀なくされている時期がありました。 実際に1972年、リオの国際ソングフェスティヴァルに日本代表として参加した時、一時的 に民主政権だったこともあって、亡命していた何人かのアーティストが帰国してきました 。その中にはその後の民主政権下、文化大臣に選ばれたジルベルト・ジルや、カエターノ ・ヴェローゾも復帰しました。 ブラジル音楽は、先住民のインディオ、そこに乗り込んできて支配するようになったヨー ロッパ人(ブラジルだけはポルトガルでした)、彼らがアフリカから奴隷として連れてき た黒人たち。それらの民族の音楽の要素が微妙に重なり合って作り上げられた複雑な文化 です。 その辺りを基本に、歴史的、政治的主張も加味して、音楽として楽しんでいただければ嬉 しいです。 もはやかなり長い説明になっていますが、もう少しだけ、その時代の背景を見事に解説し た一文を見つけましたので、この後に引用します。読んでみてください。 (なお、書いた方の詳細が確認できないので、中村さんという人らしいということだけで お許しいただきます。) 【引用ここから】 ところで、38歳で夭折したブラジルのサンバの女王と呼ばれるのがクララ・ヌネス(Clar a Nunes)です。 彼女が歌う「Canto das Tres Racas 」という曲があります。 邦題では、「褐色のサンバ」といった曲名で紹介されることがありますが、わたしの友人 は「三民族の歌」と称しています。ちょっと長くなりますが、引用します。 ~三民族とは白人、黒人、インディオである。 この歌は昔のブラジルの黒人とインディオの奴隷の苦しみを歌った歌だ。 戦後も白人による激しい搾取と暴力は続いている。 アメリカのアグリ・ビジネスは巨大な財力と政治的なコネクションを駆使してラテン・ア メリカの最も肥沃な土地をことごとく輸出用のバナナ等のプランテーションに変えてしま った。 現地の国民の食べるものがなくなるのは当然である。 今はどうか知らないが、2~30年前まではアメリカの多国籍企業は、現地の農民が畑作 業をしている上から飛行機で農薬を撒いていたのだ。 当然、喘息やアレルギー性皮膚炎になる者が続出する。抗議行動が起こる。労働争議が起 こる。 ここで多国籍企業の取った方針は「現地人をして現地人と戦わしめよ」である。 労務管理を現地のインディオや黒人にさせ、労働争議が激しくなればなるほど有色人種の 力が弱くなり、流通の利益だけは白人が誰にも邪魔されずに独り占めする、という狡猾なシステムを作り上げた。 世界の貧困というとアフリカがよく取り上げられる。しかし貧富の格差によるすさまじい 悲惨さ、そして女性や子供に集中する受難はラテン・アメリカの方が酷いと思う。 そこでは子供を殺して内臓を売る「臓器売買」が大っぴらに行われている。 クララ・ヌネスは一度日本でこの歌を歌った事がある。 ところがこの歌の政治性は一言も触れず「愛の歌」というとぼけた解説をしていた。 恐らくTV局から「政治的な発言は控えて欲しい」と圧力があったのだろう。 日本という国は何事もこの調子だ。 こういう「天に向かって雄叫びを上げたくなるような」すさまじい不正の中から「解放の神学」は生まれてきたのだ。 僕はマルクス主義には共鳴しない。 しかし女性や子供の阿鼻叫喚をつぶさに見た現地のカトリックの神父さん達がローマ法王 の忠告を無視して次々と共産ゲリラになっていった気持ちは良く分かる~(以下省略) 長谷川きよし カント・ダス・トレス・ハザス ~Canto Das Três Raças~ 詩・曲 マウロ・ドゥアルテ / パウロ・セザール・ピニェイロ  Composição: Mauro Duarte e Paulo César Pinheiro 訳詩 津島玲 おーおーおーおーおーおー 逃げたぞ インディオが逃げた  鎖を切って 暗い森の奥から 風に乗って響いてきた 嘆きのこの歌 彼らの戦いは 虚しかった 武装した兵士の前には 戦いと戦いの 束の間の安らぎの時に 疲れ切った体を 横たえたままで 歌い続ける この歌 おーおーおーおーおーおー そして今でも この国には 彼らの低い むせび泣きが響く 夜でも昼でも 殺されていった  インディオのむせび泣きが おーおーおーおーおーおー

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