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大相撲で力士とともに土俵に上がり、勝負を裁く行司。そんな行司に憧れている11歳が福岡市にいます。相撲部屋で指導を受けるなど、夢に向かって突き進んでいます。 ◆きっかけは「朝げいこの見学」 「手をおろして、はっけよい、のこった、のこった」 軍配を握りしめ烏帽子をかぶった少年。福岡市城南区の小学5年生・平木太智さん11歳です。夢は大相撲の行司になることです。 平木太智さん「こっちが僕の部屋です。2022年のカレンダーなんですけど、いつも一番後ろに、この行司・呼出・床山の写真がついていて、そこのページにしています」 平木さんは6歳の時に、田子ノ浦部屋で朝げいこを見学したことがきっかけで、大相撲の大ファンになりました。中でも心を奪われたのは、土俵に上がって勝負を判定する行司です。 平木太智さん「(Qどんなところがかっこいい?)声を出して力士の立ち合いをあわせるところです。所作とか装束とかがかっこいいなって、あと軍配も。いろんな所がかっこよくて憧れました」 ◆目標は第41代「式守伊之助」 平木さんは、目標にしている人がいます。大相撲の結びの一番を裁く立行司の第41代式守伊之助さんです。 平木太智さん「(Qどういうところが好き?)所作とかがすごく好きで、はっけよいの言い方とか動き方とか、軍配のあげ方とか全部大好きです」 小学4年生の「自由研究」の題材も式守伊之助さん。インターネットや本を読んでまとめました。何枚にもわたって書かれたこのレポートを、わずか3日間で完成させたそうです。 平木太智さん「(Q先生にほめられたんじゃない?)先生がもったいないからハンコ押せないって言っていました」 ◆「一番の宝物」式守伊之助さんからの手紙 平木さんは、2年前から式守伊之助さんに手紙を送っています。その返事が一番の宝物です。 平木太智さん「(Q特にお気に入りは?)41代式守伊之助さんに書いた後の返事です。行司が好きで、行司のことをもっと知りたくて勉強しています。『見学はできますか?』みたいなこと書きました。これが2回目のお返事で、これは照ノ富士関が横綱に昇進したときにもらったものです。(Qもらってどうだった?)ものすごくうれしかったです」 母親の平木彩さん「九州場所に、誕生日プレゼントとして行こうかってなって言ったら、こんなに楽しい誕生日はなかったって言っていて、太智は初めて見たときの式守伊之助さんの行司を覚えていて、その時から何か行司にひかれるものがあったんだと思います」 ◆テレビの前で行司になりきる 大相撲の中継がある時は、テレビの前で行司になりきって動きをまねしています。 母親の平木彩さん「もちろん大相撲の中継の時はしていますし、お風呂でもずっと聞いていたらずっと行司の声が聞こえますね」 平木太智さん「お風呂掃除のびーってやるやつで、軍配の代わりでやっています」 ◆二所ノ関親方に質問 今年6月に住宅メーカーの「アイ工務店」が開催したイベントでは、元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方に質問しました。 平木太智さん「将来、行司になりたいんですけど、何を頑張ればいいですか」 これがきっかけとなり、平木さんは二所ノ関部屋の行司に直接指導してもらえることになりました。 平木太智さん「(Q寝る時どうだった?)興奮しすぎて寝るのに時間がかかりました」 ◆「相撲字」を学ぶ 行司の木村猿ノ助さん「行司の猿ノ助です。行司は土俵も大事なんですけど、一番大事なのは字を書くことなので、その字を勉強してみますか」 平木太智さん「お願いします」 行司は土俵の外でもさまざまな仕事があります。「相撲字」という独特の書体で、四股名を書くことも大切な役割の一つです。 *平木さんが「川」の字を書く 木村猿ノ助さん「すばらしい。上手ですね」 二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)「難しい?字うまいからね。ちゃんと教えてもらってね」 木村猿ノ助さん「まず胸を張って、軍配持っているので、手をここに着けて真っすぐ見て。正面審判がいるので正面審判の顔を見ていると、ちょうどいい位置になる」 ◆「行司」として土俵に・・・ 一通り指導を受けた平木さん、ここで思いがけない出来事が起こります。けいこ場の土俵に上がり、行司をさせてもらえることになったのです。 *土俵で木村猿ノ助さんが平木さんを指導 大勢の関係者が見つめる中、平木さんは練習の成果をいかんなく発揮しました。 木村猿ノ助さん「(Q実際どうでした?)声もいいですし形も結構詳しいので、もっと行司さん見て、この人の形かっこいいなっていうのを見つけて、その人の形のようにできればもう完璧じゃないですかね」 ◆4年後に「資格取得」可能に 行司として相撲部屋に入門できるのは、中学を卒業した15歳から18歳までです。平木さんはあと4年で資格を得ることができます。 二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)「あと4年だからね、4年勉強して入ると、もう即戦力にね。いっぱい勉強して頑張って」 平木太智さん「ありがとうございます」 ◆夢にまた一歩 母親の平木彩さん「子どもの本当にうれしそうなキラキラした姿を見て、本当にうれしくなりまし...