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エスケイプ ー稲垣潤一ー 2 года назад


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エスケイプ ー稲垣潤一ー

  / senjogaharanoinazuma   よりお借りしました 関係者の方へ ご迷惑でしたらこの内容を削除いたしますので、コメント欄にその旨ご連絡ください。 この映像とは全く関係ありませんm(__)m スカイライン R30型 開発コンセプト・ストーリー 桜井 眞一郎さん 「戦場ヶ原の稲妻」全文  一人の男がいます。一人の女がいます。二人は恋人で、つきあって5~6年でしょうか。男は30歳を越えており、女はその2~3歳下です。それだけの年齢とつきあい歴ですから、二人になった時のハーモニーは落ち着きと新鮮な感覚が同居しています。  男は、どうも友人と一緒に5~6人で会社を経営しているように見える。お金をかけた、という印象でなく、いかにも小ざっぱりとした身なりから、どうもそうらしい。デザイン会社だろうか。雑誌社だろうか。それとも、数年前まで勤めていた商社を退社して、自分で貿易会社を設立したのだろうか。いずれにしても小規模な会社のオーナー。一般的なサラリーマンとはいえないサラリーマンふうである。ことさら経営感覚に鋭いわけでもなく、趣味人間ともいえない。若さを誇示せず、枯れてもいない。物ごしや話し方に、どことなく「育ち」が色どられているような人間。けれど、彼だって人間だ。常軌を逸脱しないのは表面だけかもしれない。自信もあり不安もある。欲望に満ち、恬淡ともしている。感情の起伏を無理なく、約70キロの肉体でチューニングしている。徳が、年齢に合せて、うっすらと備わりはじめる、その年代。  一方、女は、男を一回り半ほど小さくした体格。もちろん、職業をもっている。もっている――というより、時間的にも精神的にも、彼女の実人生の半分以上は、仕事で占められている。  仕事をもっている女たちが考えているように、「対専業主婦」といった考えは持っていない。自分はどう生きるか――自分流儀の生き方に忠実だっただけだ。たぶんこれからもそのようにしか生きられないだろう。たしかに、不器用かもしれない。でも、「私のお気に入り」をはっきり言え、感性に合わない物や人を拒否できるのは、やはり強さだろう。経済的に自立しているから、強さを維持できるのかもしれない。しかし、彼女の生き方に、周囲の人が嫌味を感じず、すがすがしさを感じるのは、やはり強さが本来のもの、だから。  彼女は着やせするタイプだろうか。かつて彼女の妹が、彼に向って「私のお姉さん、セクシーでしょ」と言って、彼女を驚かせたことがあった。計算された、演技されたものでない「実」の部分から来る雰囲気。二人きりになれば、本能のおもむくままにさらけ出し、楽しむことも覚えた。女性が充実に向いはじめる、その年代。  つきあい始めから、二人はよくロングドライブを楽しんでいた。「北に行こうか」「南へ行こうか」の言葉ではじまるドライブは、いつも気ままだった。走ることが楽しいのは、いつも二人でいることが肝心で、二人が楽しいと、楽しいことばかりに出会えた。よくドライブをしたおかげで、二人は、その地方地方合せて、なじみのホテルを持てるようになった。どこも中クラスの格ではあるけれど、どのホテルも30室ぐらいの規模。接客マナーといい、食事といい、部屋一つ一つの雰囲気といい、どれをとっても「奥ゆかし」く「シック」なホテルである。二人の生き方に通じるものがあるからだろうか、皆、似たようなタイプのホテルを二人が好むのは。  当初、乗せてもらうだけで満足していた彼女も、触発されて、いろいろなことを覚えた。女がナビゲーターをやってくれることに、男は便利さ以上の充実感を味わっている。  新型スカイラインが登場した。告知は突然始まり、一週間もするとマスコミは熱い報道合戦を繰り広げていた。今使っているスカイラインもそうだったのだが、新型というと、どうも気分が「心、ここにあらず」。仕事の都合で、すぐにはショールームヘ見に行けず、それでも電話でカタログだけは入手した。やっと仕事から解放され、けれどはやる気持をおさえて、じっくり検討できる時間を持った。  見ると同時に、彼は憑かれたようにセールスマンと商談を始めてしまったのである。  「朝タめっきり肌寒くなった今日このごろ」で始まる招待状が届いたのは、新型スカイラインが納車されて数週間たってからだった。発信は日光・戦場ヶ原の奥にある湯元のホテルから。買う決心をしてから納車されるまで、それでも逡巡していた彼は、新しいスカイラインのオーナーになれた自分を自覚し、元の快活さをとりもどした。そして、きょう、この招待状。思わず、カレンダーに目をやった。「行ける!」招待の日付は、さし迫った仕事のスケジュールの翌日だった。  あたかも、それが自然のふるまいのように、彼は彼女に電話をした。  招待状を出したホテルは、湯ノ湖の北に位置し、国道からも少し奥まっている。西洋風なあずまや、といったたたずまいからして、建った当時は、どれほどのハイカラであったろう。板張りの床は客の靴音を柔らかく受けとめ、アメ色に光る調度は視覚にも触覚にもよくなじむ。  二人が、このホテルを知ったのは、知り合って2、3回目のドライブの時で、以来、この方面に来たときは、必ず顔を出していた。今度の招待は一泊付きで「秋の味覚をどうぞ」というもの。彼女も彼と一緒に新しいスカイラインで出かけられることが、この上なく幸福な予定であった。  幸福な予定をより確かなものにしようと、前日、彼女は新聞の天気図を見た。顔がくもった。「明日の天気」は、夜から雨がともなうという。それでも久しぶりのロングドライブをやめる理由にはならなかった。「幸福な予定」は、彼にとっても同じだった。この仕事を終えれぱ、明日は湯ノ湖へ行ける。  午後になって、会社の責任者としてないがしろにできないことが突然起こった。責任を問われるほど大きな問題ではないけれど、プライベートな予定よりは優先した方がいいと判断される程度のもの。会社からの電話を受けた彼女は、最後に「じゃ、ホテルで待っている」と爽やかに応えはした。「今夜から徹夜になるかもしれない仕事がある」という、「明日は一人で電車で行って欲しい」という、「明日の夜には必ず、ホテルに着く」「あさって、朝からドライブしよう」と。 ――「駄目」と言えない人間に向って、何度も「駄目なんだ」と言わせるほど残酷になりたくなかった彼女は、爽やかに応えるしかなかった。精一杯の意思表示は、返事のトーンをおさえることだけだった。ドライブを予定していた日、彼女は電車に乗り込む前にホームから電話しようとした。けれど、何を言えばいいのだろう。場所はわかっているはずだ。「早く着いて欲しい」の一言を今ここでのみ込めば、会った時の愉悦はいかばかりか。彼に「わかっている」の返事をもらうための質問は、彼女の性格になじまなかった。  軽い疲労感が体全体を貫く。もう少し、あと少しと仕事を進めて、彼が新しいスカイラインのシートに坐れたのは、それでも8時を過ぎていた。この空間、このにおい。新しいスカイラインは、心と体をあずけても、「ご安心ください、あなたの気持はわかっていますよ」と、ささやいているようだった。  イグニッションキーを回す。クルマ全体に命が入った瞬間。あたかも、主人の近づいてくる足音を感じとった馬の、目覚めのような動き。主人の息づかい、主人の動作、主人がこれから何をしようとするのか――愛馬は主人の意思を十分に悟っているように、スカイラインは、あの目的地に向って小雨の中を走り出した。  市街地は、思ったより混んでいた。雨ばかりのせいではあるまい。やはり気持のせいだろうか。はやる気持。  高速道路に乗ると、スカイラインは本来の健脚ぶりを発揮した。ギャロップ(速歩)していた足並は、ここで、本格的な走りを見せた。主人は、唯「早く行きたい、早く着きたい」だけだった。スカイラインは、主人の感情を感じとっていた。規制を超越してしまったのは、結果である。両者は、結果としてルール違反になる速度を出していた。クルマが「早く行こう」と語りかけ、主人も「うん、そうだ」と応える。なんとも、情が通じ合っている。クルマが生きている――生きものが、生きものの意思を体得していた。  今、彼女は何をやっているのだろう。一人のタ食はさびしいものだったろう。いや、もしかすると料理長が相手をしてくれたかもしれない。客のもてなし方を心得ている料理長は、彼と同伴できなかった彼女に、サービスされたメニューのレシピ(つくり方)を詳しく説明しているのかもしれない。たっぷり時間をかけて。  食事を終えた彼女は、料理長の心遣いに感謝して、「今度つくってみるわ」と応えた。実際、料理の好きな彼女は、うわの空で聞いていたわけではない。ただ、一緒に聞く人が、二人でなかったのが淋しかっただけだ。  ホテルからも、彼女は電話をしたくなかった。もし通じたら、彼女は、さらに「確実に」待たされるのだから。それより、今、こうしてドアを開けて入ってくるかもしれない、と思い続けているほうが楽だった。部屋にもどって、彼女はシャワーを浴びた。いつもより、食前酒を多く飲んだので、体はまだほてっていた。  「日光」と案内された標識を通りすぎ、スカイラインは一気に町並を抜けると、今までの雨が一層激しくなった。ワイパーが規則的にぬぐっても、雨は点でなく、面でウィンドゥに貼りついていた。早く彼女の所へたどり着きたい。目的地に近づいた分だけ、彼にはもどかしさが増した。  いろは坂を登る。舗装された道は、まるで滝だった。曲り曲った道は、まるで「ファイト」するための道だった。スカイラインは、彼のために一生懸命だった。彼は、スカイラインが頼もしかった。熱いエンジンの鼓動は永久に持続するのではないかと思えるほど、信頼があった。ふりしきる雨の中を、スカイラインは中禅寺湖畔に姿を見せた。  彼女の顔が、声が、もうそこまであった。道程の残された距離には、しかし暗黒の激しさがあった。中禅寺湖から竜頭の滝をすぎ湯の湖まで、戦場ヶ原を、一つの力強い意思が駆け抜ける。ひるまずに、振り返りもせず。あの「あたたかい」目標がなければ、くじけてしまいそうな暗黒・・・・・。今まで、どんな困難な状況でも、何かがあった。街路灯、標識、看板、ガードレール、路面のペイント、電柱と、何かがあった。今、人の手が作り出した物は、何もない。たよりになるものが、何もない。全ては自然。  残酷だった。残酷な厳しさだった。もれる光もなく、自然が与える暗黒そのものの雨と、ほえるような風。猛威が行く手を遮る。いかりくるった自然の力は、「なまじっかなことでは行かせない、そんな甘くは行かせない」と、うなっていた。怒号していた。  自然が「むき出した」中で、2条のライトは闇を切り裂いていた。あまりにも対照的な暗黒と光。投影された道と雑木とブッシュを克服しては後へ流す。走りを拒絶する自然に、たくましく挑んでは、荒い息づかいを後へ流す。この躍動にはしかし、来たるべき時、の期待があった。目標に向って進む時間を、意思が超越してしまった時間。彼と彼女とクルマ。「着いてからが楽しみだ、明日は三人で一緒にやろう、クルマも仲間だ」彼女に会いたいのは、彼だけじゃない、クルマもだ――あたかも、そう感じているような情景。  彼が彼女との出会い、彼女と出会ってからのくらしに心を遊ばせることができるほど、この時間は熱かった。こういう環境だからこそ、彼はもしかすると思い出したのかもしれない。疲れは感じていなかった。気持ちはハッキリしていた。  一瞬はげしい雷鳴が光と共にとどろいた。猛威をふるう雨と風の中、スカイラインは一瞬だけ暗黒からシルエットを見せた。 白く、青く見えた雷光の下に、シルエットが浮んだ。頼るものが何もない大自然の激しさの中、「人馬一体」の意思には、恐れるもの、は何もなかった。

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