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僕だけが聞いてないこと。が昔からよくあった。 仲間外れにされているということではなくて、いや、そう思いたくないだけかもしれないけれど まあでもそんな単純な話ではなくて 何も言わなくてもわかるだろうという共通認識や 扱いを軽んじられた過大評価の犠牲になることが多かった。 友達も教師も親でさえも 仲良ければ何でもわかるとか 血が繋がっていれば理解できるとか そんなことはなくて 逆に濃く映る大義名分があるほどに、必要なコミュニケーションは軽んじられるのだ。 まあ、例に漏れず僕も、彼らのことを理解しているようで理解できていなかった結果なのだけど でもそんな昔話はどうでもいい その頃のことを悲しんでいるわけでも 悔いているわけでも無い ただ自己紹介として、自分という人間はこういう人間だと伝えただけで、本題はここからだ。 だから人一倍気にしているつもりだった。 何も言われないなら敏感に反応するしかない、 センサーを張り巡らせていなければならない。 そう思っていた。 そして、何の傷も残らないその他大勢との昔話みたいに 君との関係に傷が入ることは 僕にとって平気なことではなかった。 なんでも言って欲しかったし それを伝えた。 もしその中に言えないことがあったなら 取りこぼしがないように全部拾おうと思っていた。 それでも出来た亀裂の間に入っていた言葉は どれも僕の聞いていないことばかりだった。 君となら大丈夫だと思っていた。 君となら何も怖くないと思っていた。 それほどに大切だった。 ただ僕は気が付かなかったんだ。 僕の想いや僕たちの関係も その名前が色濃くなっていたことに 君の気持ちは全部聞きたかったし 聞いていない言葉は嫌だった。 それは君を愛していたから そして君を脅かして驚かして悲しませて苦しませるような言葉は君の耳に入れるべきじゃないと思っていた。 君にわざわざそんなこと言わなくても良いだろうと 言わないとわからない言葉を開いた亀裂に取りこぼして #ルームシェア #板橋ハウス #恋の行方